井手酒造㈱

2025年03月28日
嬉野商店街唯一の酒蔵『井出酒造』 明治元年創業。創業156年。佐賀の銘酒大吟醸「虎之児」が産まれ続ける酒蔵だ。お米の風味や香り、旨みをしっかり感じる事のできる「虎之児」は、2020年には酒類鑑評会、純米部門にて最高賞を受賞。地元は勿論、各界の著名人にも愛され宇宙航空研究開発機構(JAXA)からも注目されたお酒だ。店頭には「虎之児」の他、「社氏の誉」「蔵の音」「令酔」なども並んでおり試飲も可能だ。蔵を通って奥に続く風情残る和室は、蔵開きのイベントや酒蔵ツーリズムで開放されており、以前行った甘酒を振る舞うイベントでは、多くの一般のお客様で賑わった。 井出酒造は嬉野の茶農家との繋がりも強い酒蔵だ。毎年12月頃から始まるお酒作りには、茶農家が蔵人となり住み込みで2月いっぱいまでお酒作りに徹する。お酒作りは寒くならないと作り始められない為、茶農家の繁忙期とは異なり、その期間、嬉野の茶農家が蔵人となるという歴史が続いてきた。
2月の蔵開きを見届けて茶農家達は又お茶の栽培作業へ戻っていく。機械化されない手作業と人と人の繋がりで作られるお酒。まさに嬉野の人達の手によって語り継がれ、丁寧に作られてきた日本酒と言える。 「機械化が進む時代だからこそ、人の温もりも含まれた井出酒造のお酒を飲んでもらいたい。」と語ってくれたのは6代目の敦子さん。時代に合わせて新しい感覚を取り入れ、祭りやイベントと合わせての夜営業やマルシェなども行なっている。
今後は地元の方が帰省された際や、旅行客が地元のお酒を飲みたいと思った時に気軽に立ち寄れるお店でありたいとの事。毎年2月の中旬頃に行われている(※年度によって異なる)蔵開きでは、火入れをしていない「しぼりたて原酒」が飲めるチャンスでもある。1年に1度しかないこの蔵開きに合わせて、できたてホヤホヤの新酒を味わう贅沢さを体験されてみてはいかがだろうか。