古賀書店
2025年03月28日


探していたレアな本が見つかる!?『古賀書店』
創業は昭和27年。新刊書籍、雑誌、教科書、ノートや便箋などの文房具品を取り扱う。 書籍棚の間にはカレンダーや手帳、鈴やスーパーボールなどの当たりクジなども並んでおり、懐かしさと「これぞ本屋」という気持ちで胸がいっぱいになった。お店を営業するのは嘉人さんとまり子さんの古賀さんご夫婦。お父様からお店を受け継ぎ2代目となる。大学を卒業してすぐお店を継ぐ事となり50年以上、嬉野温泉商店街の本屋としてこの街を見守ってきた。その証拠に嬉野の街に関する新聞記事が切り抜かれ、至る所に飾ってあった。書店の減少は近年の問題点としても挙げられる。時代の流れで書籍が電子化し、ペーパーレスの時代になった。又、スーパーや百貨店の中に本の売り場が常設され、わざわざ書店まで足を運ぶという事が減った。本を読むという習慣さえ減ってしまい、最近ではお客様は少なくなったと寂しそうな古賀夫妻。だが、こうして久しぶりに足を運んでみると、昔からある書店だからこその良さという発見もある。新刊が多くラインナップが変わりやすい書店に比べて、探していた本が見つかる可能性や知らなかった面白そうな本との出会いが非常に多い。


「あ、この本◯◯さんが昔読んでた!」とか「良い本だったのになくした本!」とか。そんな奇跡が起こる事もある。それもまた本との縁ではないだろうか。誰も時代の変化には抗えない。実際には本自体が厳しくなっていると嘉人さんは言う。昔は配達も多く、病院や学校の先生、役所関係から問い合わせも多かった。新刊も続々と出ていた。昭和40〜60年代には出版社は憧れの職業とも言われていたという。ただ昔も今も変わらないものは確かにある。当時よく言われていたという「教養人は本を読む。」という価値観。シンプルな核となる部分は今も変わらない所ではないだろうか。本をよく手にとっていた時代の人達が高齢化になり本が読めなくなる。きっと時代が変わっても知識や学ぶべき事は変わらず、先人が残したものこそ今では手に入らない貴重な教養とさえなり得るではないか。
その時代を生きた人間の考え方や知識が共に生きた本屋にもまだしっかりと残っている。先人達の頭の中を覗いてみたくはならないだろうか?まずは「古賀書店」に足を踏み入れてみてほしい。

