橋爪菓子舗
2025年03月28日


蜂蜜たっぷりの「丸ぼうろ」、落雁菓子「塩味饅頭」、「糸切り羊羹」などの人気商品が並ぶ橋爪菓子舗。
嬉野商店街の真ん中に位置し、観光客や地元に愛され続けている創業100年を超える老舗菓子店だ。宮内庁御用達の老舗和菓子店「塩総本家」暖簾分けの最後のお店として知られている。接客もお客様の相談にしっかり対応している様子が印象的だ。お菓子の提案から日常の話題まで長年続いてきた関係性が垣間見えると思いきや、外国人観光客とのコミュニケーションも何の壁もないように見える程、距離感が絶妙で居心地が良い。看板商品の一つである「丸ぼうろ」は1日1000個以上焼く日もあるという。歯を入れた瞬間、口の中でふわふわの食感を楽しめる丸ぼうろは、蜂蜜の優しい甘さが口いっぱいに広がり上品さを感じさせてくれる。前に出過ぎない感じがとても良い。


又、藤井聡太棋士が嬉野での対局の際、午前のおやつに選んだという「佐賀まんまるカステラ」は、バターの風味が香るほんのりの甘さで、表面は丸ぼうろに近いかと思いきや、中はカステラのような食感。まさに新食感。個人的にはどのお菓子も片手に持ちながら街の散策ができそうだという点で更に嬉しくなった。
2024年にリニューアルオープンしたお店は、懐かしさを残しながらも清潔感がある。木の温かみと人の温かみを感じる事のできる店内だ。屋号の家紋が暖簾や壁などにポイントでお洒落にデザインされており、伝統を大切に守りつつ、お店の顔となる正面玄関の飾り窓には県内若手作家の作品を取り入れている。更に、入口横に小さな庭園を設置、待合席の上に傘を配置するなど街に溶け込み新しいものと拘りもしっかり散りばめられている印象だ。
陽が沈む頃のライトアップはまた違う顔も垣間見せてくれる。お店もお菓子も伝統を引き継いだものから、新しいものまで、訪れる人を飽きさせない。店内の三角角にちょこんと置かれた座り心地の良いソファに腰掛けて「丸ぼうろ」を頬張りながら、ガラス張りの店内からもう少し嬉野の街を眺めていたい・・・。

