風月堂
2025年03月28日


バトンを受け継ぐ名店『風月堂』
2代目のお父様と、3代目の息子さんを中心にご家族で営む菓子店「風月堂」。祖父の代から焼き菓子とケーキを中心に製造販売を行っている。東京の風月堂で修行をし、暖簾を頂く形で1代目となる祖父が67年前にお店をオープン。先先代、先代からお店のノウハウを引き継ぎ、福岡と横浜で修行をした3代目となる息子さんが中心となってお店を続けている。
お店に入ると、焼き菓子の種類は約40種類以上、旬のフルーツを使ったケーキが約30種類、ロールケーキは約8種類という商品の豊富さ、全商品が毎日並ぶわけではないが、クリアケースの中の色とりどりのケーキとディスプレイされた焼き菓子は目で見ても充分に楽しませてくれる。面白いのはケーキが並ぶスペースの半分から右と左で個性が若干違うのがわかる。


伺ってみると、向かって左が3代目、右が2代目の作品との事。3代目は、デコレーションケーキやロールケーキ、タルト系を得意とし力を入れているのだそう。創業当時からあるひき茶クッキー、2代目が考えた大茶樹ショコラ、そして3代目が考えた新しい焼き菓子が並ぶ。長年続けているお店という事もありお客様から「あれはいつ頃できる?」などの問い合わせも多い。愛され続ける商品に加え、何度足を運んでも飽きさせないよう、珍しいケーキの思案にも力を入れている。
桃やラフランスなどの季節にあった果物の他、ビーツなどの野菜を使った珍しいケーキの考案など、ここでしか買えないものが作りたい。その思いは、佐賀県民嬉野市民は勿論、熊本や鹿児島、福岡や大分から毎年帰省の度に買いに来てくれるお客様の為。風月堂のケーキを食べて育った、風月堂チルドレンが今も必ずお店に寄ってくれるからだ。
又、イラストを描いてくれるお祝い事のデコレーションケーキのクオリティも素晴らしい。2代目は有田工業高校デザイン科の卒業生。絵心があり温かみのあるイラストは話題になっている。代々引き継ぎ、ケーキやお菓子も生き続けるお店「風月堂」。今後も、昔からの味は大切にしつつ、若い感性を活かしながら新旧合わさった唯一無二の風月堂を確立していくだろう。

